「『新しい販売ルートを開拓して!』って、上からの命令だけど…まだネットでは販売してないし、とりあえず、“ランディングページ”というものを作れば売れるかな?」
ケータ
- 自社商材にLPが必要かどうか迷ってる人向け
- 何も知らないのにランディングページの担当になってしまった
- ランディングページを見たことはあるが、自社の商材が収益を上げれるのかどうかわからない人向け
- 筆者がとあるヘアケア用品とペット用品のランディングページを担当した際の実体験を元に作成。
Contents
ランディングページの目的
ランディングページ(以下LP)は、ご存知の方も多いと思いますが、あの縦にズラーッとした、とにかく長いページです。
特定のワードで検索してきたユーザーを狙い撃ちし、商品の購入やお問い合わせ、資料請求などを行わせるために存在するページです。
「キャッチコピー大きく!」「ボタンは緑!」「不安を煽って!」など、LP内部のノウハウは耳にすることも多いかも知れませんが、今回はその根本の問題として、ある商材に対して「そもそもLPが必要なのか」という部分をお話していこうと思います。
ランディングページは基本的に赤字スタート
「ええぇ!LPで売れば少なくとも利益が出るんじゃないの!?」と思ったかも知れませんが、仮に単価3,000円の商品が売れたとしてもだと大体赤字になります。
赤字になる理由は単純で、利益よりも広告費の方が大きくなるからです。
「とりあえずLPをやれば売り上げは立つっしょ!」くらいの気持ちでLP制作を行い、リスティングを行うとほぼ確実赤字になりますので気を付ける必要があります。
ちなみに私が最初に担当した案件も大赤字で、50万の制作費と広告費で、3,000円の商品を2個売ることが出来ました。
結果、-49万4,000円の赤字でフィニッシュです!
今回は、この悲しい出来事が少しでも減らせるよう共有できたらと思いつつ記事を書いております。
先に、単発だと何故赤字になるのか説明していくよ。
ランディングページで赤字になる理由
では、話を戻しますが、3,000円の商品を売っても赤字になる理由を説明します。
単純な理由となりますが、利益よりもリスティング広告費の方が高くなるからです。
クリック単価について
リスティング広告の広告費は、表示された広告がクリックされた時点で発生します。これをクリック単価と呼びます。
このクリック単価は、GoogleのキーワードプランナーやYahoo!のキーワードアドバイスツールで確認することができます。
概ねの単価となりますが、コンプレックス系・悩み系のキーワードは、クリック単価150円~から数千円となっています。
(※あくまで目安です)
CVRについて
CVRはコンバージョンレートの略で、広告をクリックしたユーザーの何パーセントが目的(資料請求・お問い合わせ・購入など)を達成してくれたかという指標になります。
悩み系ワードで購買に至るまでのCVRは、おおよそ1%~5%と言われています。
このCVRとクリック単価がわかれば、1つ商品を売るのにいくらの広告費が必要か割り出せます。
クリック単価とCVRで割り出し…。
結果3,000円の商品を売っても赤字
今回は、クリック単価を150円・CVRを5%と仮定します。
この仮定した数値はクリック単価は安い部類、コンバージョン率は高い部類の良い条件となります。
1個の商品を売るための広告費を割り出すと以下のようになります。
- CVR:5%は、100人の訪問で5人が購入する
- 1人あたりに直すと20人に1人が購入する
- この20訪問にクリック単価をかけると1人あたりの広告費が割り出せる
【1人あたりのリスティング広告費】
クリック単価150円×20訪問=3,000円
つまり、1人あたり3,000円の広告費を払って3,000円の商品が売れるということなります。
これに原価や送料、支払い手数料などを支払うと…
結論・3,000円で売っても赤字でした、ということになります。
継続性のある商品はやった方がいいから、それについても解説するね
LPをやるべき商品・継続性の高い商品はやった方がいい
継続性の高い商品とは、健康食品、サプリメント、シャンプー、スキンケア、化粧品などの消耗品で、無くなる度に購入する必要がある商品のことを指します。
なぜ、継続性の高い商品はLPをやったほうがいいのか?
ここが重要な部分になりますが、一度の購入では赤字だったとしても、継続(リピート)をしてくれれば黒字になるからです。
3,000円の商品を3,000円掛けて売っても赤字になることは先ほど説明した通りです。
しかし、同じユーザーが1か月後に、同じ商品を購入(リピート)してくれた場合、今度は広告費がかからないため、3,000円が丸々の売り上げとなります。
これが3か月、4か月と続けば9,000円、12,000円…と売り上げが積み重なり、最初に高い広告費を掛けても十分に黒字化できるため、継続性の高い商品はLPをやる価値が十分あるということになります。
LPを運用するのであれば、単発的な売り上げではほぼ赤字なので、リピートを視野に入れた戦略設計や、販売商品に近い商品を一緒に売るクロスセルなどの戦略設計が必須になります。
- 【クロスセル】セットで商品を売ること
(例:シャンプーを購入した人に、リンスも一緒売る) - 【アップセル】その商品の上位商品を売ること
(例:サンプル商品を購入した人に本品商品を売る)
具体例・リピートによる売り上げの推移
この画像は、毎月50万の広告費をかけて無料サンプルを500人に配り、その内の20%がリピーターになって、毎月5,000円の商品を買ってくれた場合の収益計画表となります。
プロジェクト開始時(単発の場合)は、100万近い赤字を出してるのがわかると思います。
しかし、毎月100名ずつのリピーターが増える事で、売り上げがどんどん増え、プロジェクト開始6か月目で黒に変わり、10か月目で今までの損失も補えるほどの売り上げとなっています。
これがランディングページの強さとなり、継続性・リピート性のある商品はやった方がいい理由となります。
リピートが続けば続くほど、売り上げが積み重なり、1年~2年と継続できるのであれば何千万という売り上げも可能となってきます。
この画像は、私がLPを担当する際に作ったもので、エクセルの内容を少し変えて公開しているよ。「原価600円安すぎ!」「人件費25万安すぎ!」などツッコミはあるかも知れないけどあくまで一つの例として見てねm(__)m
- 単発で3,000円の商品を3,000円の広告費を掛けて売っても赤字。
- 継続性(リピート)があれば、次回以降、広告費を掛けず3,000円、6,000円…と売り上げを積み上げることが出来る。
LPで収益を上げる場合の考え方
LPは見込み客の個人情報を集める手段として割り切る
LPは商品を売るためのページではなく、見込み客の個人情報を集める手段と割り切った方が良いです。
個人情報さえゲットしてしまえば、後はメール、ハガキ、電話など、アプローチの手段はいくらでもありますので、いかに個人情報をゲットするか(コンバージョンさせるか)が大事となります。
数百円のお試しサンプルなどで個人情報をゲットし、「本品を案内→定期化」するのがLPの王道パターンとなります。
元々、検索行動を行うほど、何かしらの悩みをもった見込み客でもあるため、サンプル品で効果に納得してもらえた場合、本品を購入してもらえる確率も高いです。
- LPはサンプル商品などでコンバージョンさせ、見込み客の個人情報を集める手段として使う。
継続性が無くても単価の高い商品(サービス)ならあり
ここまでを振り返ると、「継続性が無い商品はLPをやらない方がいいのか」となるかもしれませんが、そんなことはありません。
リスティング広告費を十分に回収できる、高額商品なら単発でも黒字となりますので行う価値はあります。
「探偵(浮気調査など)」「不動産」「パソコン」などの、高単価(何十万~)の商品であれば、一度のコンバージョンに1万~2万かけたとしても十分黒字になると思います。
ただ、高額商品はWebサイトで購入する心理的ハードルがとても高いので、いきなり購入を迫るよりも「無料相談」「無料診断」「資料請求」などで一度申し込みを行ってもらった後に、電話など後でじっくりアプローチをする方が良いでしょう。
- 継続性が無くとも高単価な商品(サービス)であれば利益は出る。
- 高単価商品をWeb上で購入(決済)を行う心理的ハードルはとても高い、コンバージョンも低くなる。
- 「無料相談」「無料診断」「資料請求」などで一度、個人情報を抑え、その後電話などでアプローチした方が良い。
こんな商品の場合、LPはやらない方がいい
洋服、食器、数千円の家電など、継続性もなければ高単価でもない場合はLPをやらない方が無難でしょう。
こういった商材はLPで無理に売るよりも、Amazonや楽天に出品し、他媒体でプロモーションをかけ、結果として気になったユーザーがAmazon、楽天で検索を行い、売れる図式にした方が費用対効果も高いです。
LPを運用すべきかしないべきかのまとめ
- LPで単発販売しても大体が赤字
- LPをやるなら継続性(リピート)のある商品ならやったほうがいい
- LPは個人情報を手に入れる手段と割り切ろう
- サンプルで個人情報を手に入れ、その後は王道パターンで顧客単価を上げていこう!(サンプル→本品→定期化+クロスセル)
- 単価の高い商品(サービス)は「無料相談」「資料請求」などで接点を持つことから始めよう
- LPに向かない商品はAmazon・楽天に出品した方が無難。
LPをやるかどうか迷った場合は自社商品が王道ルート(サンプル→本品→定期化+クロスセル)が可能かどうかを目安にするとのが良いでしょう。
余談:LPの売り上げ凄い!何十億もいける!という話。
余談ですが、私がLPを制作する際に数々のLPを参考にしている最中、青汁王子のニュースが目に飛び込んできました。
“2017年9月期の売上高は121億7,714万円”と記載されており、また、同社の商品は20商品ほどとなっております。
偏りはあると思いますが、売上高を20で割ったとしても一つの商品が相当な売り上げを誇っています。
これは言ってしまえば、青汁王子の真似をすることが出来ればLP販売(単品通販)でも何十億レベルの売り上げが作れるということです。
まだまだ、LP販売(単品通販)は死んではいないと実感できる記事です。
LPでリピート通販のカートで悩んでいる方は下記の記事もご覧下さい!
